クラウドストレージの基本と使い分け

スマートフォンで撮った写真がいっぱいで保存できない、パソコンが壊れたら大事な書類が消えてしまうのではないか。そんな心配を減らしてくれるのがクラウドストレージです。インターネット上に自分専用の保管場所を借りて、写真やファイルをそこに預けておく仕組みのことを言います。一度使い方を覚えてしまえば、機種変更のときもデータの引っ越しがぐっと楽になりますし、家族と写真を共有するのも簡単になります。この記事では、クラウドストレージとはどんなものか、代表的なサービスの特徴、容量やバックアップの考え方、そして安全に使うための注意点を、やさしく順番にご紹介します。

クラウドストレージとは

クラウドストレージとは、インターネットを通じて利用できるデータの保管場所のことです。これまで写真やファイルは、スマートフォンやパソコンの本体、あるいはUSBメモリなど手元の機器に保存するのが当たり前でした。クラウドストレージを使うと、そうしたデータをインターネット上のサーバーに預けておけるようになります。

大きな利点は、手元の機器が故障したり紛失したりしても、データそのものは無事に残るという点です。さらに、同じアカウントでログインすれば、スマートフォンでもパソコンでもタブレットでも、同じファイルにアクセスできます。外出先で撮った写真が自宅のパソコンからもすぐ見られる、というのはクラウドならではの便利さです。多くのサービスは一定の容量まで無料で使えるため、まずは気軽に試してみることができます。

主なサービスの特徴

代表的なクラウドストレージにはいくつかの種類があり、それぞれ得意なことが少しずつ違います。普段使っている機器やサービスとの相性で選ぶと、無理なく使い始められます。

スマートフォンがアンドロイドの方や、グーグルのサービスをよく使う方には、グーグルドライブやグーグルフォトが身近です。写真の自動保存や検索が得意で、無料で使える容量も比較的多めです。アイフォンやアイパッド、マックを使っている方には、アップルが提供するアイクラウドが標準でなじみます。端末との連携がスムーズで、設定もシンプルです。

仕事の書類やワード・エクセルをよく扱う方には、マイクロソフトのワンドライブが便利で、オフィス製品との相性がよいのが特徴です。機器のメーカーを問わずファイル共有をしたい場合は、ドロップボックスのような専用サービスも長く使われています。どれが一番という正解はなく、自分がよく使う機器やサービスに合ったものを選ぶのが失敗しないコツです。

容量とバックアップの考え方

クラウドストレージは無料で使える容量に限りがあり、写真や動画が増えてくると、すぐにいっぱいになってしまうことがあります。容量が足りなくなると、新しい写真が自動保存されなくなったり、メールが受け取れなくなったりすることもあるため、ときどき空き状況を確認しておくと安心です。足りない場合は、月額数百円ほどで容量を増やせる有料プランが用意されています。

あわせて知っておきたいのが、バックアップの考え方です。大切なデータは、ひとつの場所だけに置かず、複数の場所に分けて保存しておくと、より安全になります。たとえば、スマートフォン本体に加えてクラウドにも保存しておけば、片方に何かあってももう片方が残ります。とくに思い出の写真や、二度と手に入らない書類は、クラウドと外付けハードディスクなど、性質の違う場所に分散させておくと安心です。「大事なものほど一か所にまとめない」と覚えておくとよいでしょう。

安全に使うための注意点

便利なクラウドストレージですが、インターネット上にデータを預ける以上、安全に使うための心がけも大切です。まず基本になるのが、ログインに使うパスワードです。誰にでも推測できる簡単なものは避け、ほかのサービスとは違うパスワードを設定しましょう。

さらに、二段階認証という仕組みを設定しておくと安心です。これは、パスワードに加えてスマートフォンに届く確認コードなどを入力する方式で、万が一パスワードが知られても、不正なログインを防ぎやすくなります。また、写真やファイルを家族や知人と共有するときは、共有の範囲を確認し、必要のない相手にまで見られる設定になっていないか気をつけましょう。共有用のリンクを安易に広い範囲へ送らないことも大切です。

情報セキュリティの基本については、公的な解説も役立ちます。総務省が運営する総務省 国民のための情報セキュリティサイトでは、パスワードの作り方や安全な使い方がやさしくまとめられているので、あわせて確認しておくとより安心して使えます。クラウドストレージは、ポイントを押さえれば毎日の暮らしをぐっと便利にしてくれる頼もしい味方です。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。サービスの仕様・容量・料金は変更される場合があるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。